☆
太陽が、高い位置にある間に。
あうう。
景子は、再びアディマの部屋へとやってきていた。
彼が、それを望んだのだ。
東翼は、完全に人の気配を失っている。
人払いされてしまっていた。
『愚甥も、お前を正式な妻と同じ扱いをする気だな』
浴室の中で、ロジューはそう言っていた。
身を清め、日の高い内に夫の部屋に入る。
そしてまだ、太陽がある間に契りを交わすのが、昔からのならわし、というのだ。
日の、高い内に。
その言葉に、景子はがっくりとうなだれていた。
夜の暗い中ならば、この貧相な身体も隠せるだろう。
しかし、こんなに明るい太陽のある時間帯では、何も隠せないではないか。
それ以前に。
アディマは、暗い中でも問題なく歩ける人だった。
おそらく、相当夜目が効くのだろう。
そんな相手では、どうあってもこの貧相さは隠せないのだ。
今さらながらに、自分の身体のことをロジューに再認識させられ、景子は彼の部屋の前で戸惑っていた。
なのに。
扉が、開く。
綺麗に身を整えた、アディマがそこにはいた。
景子が一人でじたばたしているのに、気づいていたのだ。
「ケイコ…大丈夫か?」
そうして。
優しく聞いてくれる。
その声には、しかし優しさ以外のものも含まれていた。
心配や不安、に近い色。
彼もまた、ケイコが直前でまわれ右して帰ってしまうのではないか──そう恐れたのかもしれない。
「あ…あの…」
カァっと、全身に恥ずかしさが巡る。
リスクとかリターンとか、そういうことを考えていた時に消えていた恥ずかしさが、一気に彼女の中に舞い戻ってきたのだ。
「中に…入らないか?」
そのまま、自分の体温で煮え死んでしまいそうな景子を、彼はさっきと同じ声で促した。
早く、入って欲しい。
アディマが、そう願っている。
「あ、うん…じゃない…はい」
何を言っているのか、自分でも分からなくなってきた。
太陽が、高い位置にある間に。
あうう。
景子は、再びアディマの部屋へとやってきていた。
彼が、それを望んだのだ。
東翼は、完全に人の気配を失っている。
人払いされてしまっていた。
『愚甥も、お前を正式な妻と同じ扱いをする気だな』
浴室の中で、ロジューはそう言っていた。
身を清め、日の高い内に夫の部屋に入る。
そしてまだ、太陽がある間に契りを交わすのが、昔からのならわし、というのだ。
日の、高い内に。
その言葉に、景子はがっくりとうなだれていた。
夜の暗い中ならば、この貧相な身体も隠せるだろう。
しかし、こんなに明るい太陽のある時間帯では、何も隠せないではないか。
それ以前に。
アディマは、暗い中でも問題なく歩ける人だった。
おそらく、相当夜目が効くのだろう。
そんな相手では、どうあってもこの貧相さは隠せないのだ。
今さらながらに、自分の身体のことをロジューに再認識させられ、景子は彼の部屋の前で戸惑っていた。
なのに。
扉が、開く。
綺麗に身を整えた、アディマがそこにはいた。
景子が一人でじたばたしているのに、気づいていたのだ。
「ケイコ…大丈夫か?」
そうして。
優しく聞いてくれる。
その声には、しかし優しさ以外のものも含まれていた。
心配や不安、に近い色。
彼もまた、ケイコが直前でまわれ右して帰ってしまうのではないか──そう恐れたのかもしれない。
「あ…あの…」
カァっと、全身に恥ずかしさが巡る。
リスクとかリターンとか、そういうことを考えていた時に消えていた恥ずかしさが、一気に彼女の中に舞い戻ってきたのだ。
「中に…入らないか?」
そのまま、自分の体温で煮え死んでしまいそうな景子を、彼はさっきと同じ声で促した。
早く、入って欲しい。
アディマが、そう願っている。
「あ、うん…じゃない…はい」
何を言っているのか、自分でも分からなくなってきた。


