☆
「ケイコ…大丈夫か?」
空気に混じる湿気を感じられてしまったのか、はたまたアディマは暗い中でも目が見えるのか。
彼は、心配したように駆け寄ってくる。
「だ、大丈夫…アディマに会ったら、ほっとしちゃって…大丈夫」
慌てて、自分の目を拭おうとした。
「ケイコ…何か怖い思いをさせたんだな…すまない」
その指先が、彼女に触れた時。
分かった。
ああ、この身体はただの入れ物なのだと。
魔法で作られた、身体なのだろうか。
ということは、さっきのカナルディも、その前の長も。
だから、イデアメリトスの光を感じなかったのか。
けれども。
アディマの優しさは伝わってくる。
ベッドの上に、彼が乗り上げるようにして抱きしめてくれることさえ、恥ずかしいものには感じなかった。
心だけをこうして、景子のために飛ばしてきてくれたのだ。
そこに、本当は生身がないのだと分かると、何故か彼女もその身体を抱き返せた。
「大丈夫…本当に怖かったのは、私じゃないから…叔母様を守ってあげて」
危険なのは、ロジューだ。
景子は、傍であわあわしていただけ。
「話は父から聞いたよ…叔母上様のことなら、心配はいらない…カンの鋭い方だし、身を守る魔法も使える」
景子を抱きしめる腕が、少し強まった。
「だけど…叔母上様が狙われた理由が本当なら…ケイコが狙われていてもおかしくなかったんだ」
もっともっと、腕に力がこめられる。
「僕は、景子のことを、父上と叔母上様にしか言わなかった…もし、最初に僕が考えていたように、皆に伝えていたら…」
景子を失ってしまうかもしれない──それを、アディマは恐れたのだ。
ああ。
この腕の力と比例するほどに、思いの強さが伝わってくる。
景子の胸を締め付け、呼吸すら苦しくするほど。
明日のことなど、分からない。
離れてしまったら、次の再会など誰にも保証されない。
それが、この世界で骨身にしみて知ったこと。
だから。
だから──言いたいことは、言える内に伝えておかなければならないのだ。
「ありがとうアディマ……あなたのことが…大好きよ」
「ケイコ…大丈夫か?」
空気に混じる湿気を感じられてしまったのか、はたまたアディマは暗い中でも目が見えるのか。
彼は、心配したように駆け寄ってくる。
「だ、大丈夫…アディマに会ったら、ほっとしちゃって…大丈夫」
慌てて、自分の目を拭おうとした。
「ケイコ…何か怖い思いをさせたんだな…すまない」
その指先が、彼女に触れた時。
分かった。
ああ、この身体はただの入れ物なのだと。
魔法で作られた、身体なのだろうか。
ということは、さっきのカナルディも、その前の長も。
だから、イデアメリトスの光を感じなかったのか。
けれども。
アディマの優しさは伝わってくる。
ベッドの上に、彼が乗り上げるようにして抱きしめてくれることさえ、恥ずかしいものには感じなかった。
心だけをこうして、景子のために飛ばしてきてくれたのだ。
そこに、本当は生身がないのだと分かると、何故か彼女もその身体を抱き返せた。
「大丈夫…本当に怖かったのは、私じゃないから…叔母様を守ってあげて」
危険なのは、ロジューだ。
景子は、傍であわあわしていただけ。
「話は父から聞いたよ…叔母上様のことなら、心配はいらない…カンの鋭い方だし、身を守る魔法も使える」
景子を抱きしめる腕が、少し強まった。
「だけど…叔母上様が狙われた理由が本当なら…ケイコが狙われていてもおかしくなかったんだ」
もっともっと、腕に力がこめられる。
「僕は、景子のことを、父上と叔母上様にしか言わなかった…もし、最初に僕が考えていたように、皆に伝えていたら…」
景子を失ってしまうかもしれない──それを、アディマは恐れたのだ。
ああ。
この腕の力と比例するほどに、思いの強さが伝わってくる。
景子の胸を締め付け、呼吸すら苦しくするほど。
明日のことなど、分からない。
離れてしまったら、次の再会など誰にも保証されない。
それが、この世界で骨身にしみて知ったこと。
だから。
だから──言いたいことは、言える内に伝えておかなければならないのだ。
「ありがとうアディマ……あなたのことが…大好きよ」


