☆
朝!
景子は、薄暗い最中、目を覚まして飛び起きた。
着替えを済ませ、そーっと庭に出る。
初夏の地域は朝が格別だと、旅の途中で知ったのだ。
んーっと大きく伸びをして、白々と明け始める空と、目覚めようとしている植物の光を見る。
蕾を開こうとしている花を見つけ、その前に張り込んだ。
朝顔と姿は違うが、同じ要領で咲くようである。
その花が開き始めると同時に、使用人たちも起き始めた音がする。
まるで、仕事を始める合図のような花だ。
最初に庭に出てきた男に、ぎょっとされた。
昨日、彼女を部屋に案内してくれた人だ。
「おはようございます」
「月の化け物が出たかと思ったじゃねぇか…暗い内にあんまり外に出ない方がいいって、お前はおっかさんに習ってねぇのか?」
ああ、そうか。
男の言葉に、景子は納得した。
景子の世界とは違う迷信が、こっちにはあるのだ。
特に月については、よくないものばかりのようで。
ここは中暑季地帯だから、元々日照時間は長い。
その分、短い夜は余り出歩いてはいけないようだ。
彼女は、夜におびえることは少ない。
夜と言えども、景子にとっては明るい世界なのだから。
それに、ダイが守ってくれて、アディマも他の二人もいて。
恵まれた夜が多かったのだ。
「さあさあ、厨房に行って、朝飯と持っていく昼飯をもらってこい。早めに行かないと、他の連中に食われっちまうぞ」
急かされて、それは大変と景子は屋敷へと戻り始めた。
男も、一緒に後ろからついてくる。
厨房は──すでに、使用人が集まっていた。
女が3人、男が3人。
後ろの男を入れると、合計7人か。
「何だ、ボルポッサム爺の新しい女かい?」
アディマと同じ肌の色の男が、ひやかすように声を上げた。
まるで、学校の転校生のような扱いだな、と感じる一瞬。
「景子です、どうぞよろしく」
挨拶をすると、皆が少し奇妙な表情をした。
おばさんが、言った。
「短い名前だねぇ…」
まことに、そのとおりでございます。
景子は、苦笑するしかなかった。
朝!
景子は、薄暗い最中、目を覚まして飛び起きた。
着替えを済ませ、そーっと庭に出る。
初夏の地域は朝が格別だと、旅の途中で知ったのだ。
んーっと大きく伸びをして、白々と明け始める空と、目覚めようとしている植物の光を見る。
蕾を開こうとしている花を見つけ、その前に張り込んだ。
朝顔と姿は違うが、同じ要領で咲くようである。
その花が開き始めると同時に、使用人たちも起き始めた音がする。
まるで、仕事を始める合図のような花だ。
最初に庭に出てきた男に、ぎょっとされた。
昨日、彼女を部屋に案内してくれた人だ。
「おはようございます」
「月の化け物が出たかと思ったじゃねぇか…暗い内にあんまり外に出ない方がいいって、お前はおっかさんに習ってねぇのか?」
ああ、そうか。
男の言葉に、景子は納得した。
景子の世界とは違う迷信が、こっちにはあるのだ。
特に月については、よくないものばかりのようで。
ここは中暑季地帯だから、元々日照時間は長い。
その分、短い夜は余り出歩いてはいけないようだ。
彼女は、夜におびえることは少ない。
夜と言えども、景子にとっては明るい世界なのだから。
それに、ダイが守ってくれて、アディマも他の二人もいて。
恵まれた夜が多かったのだ。
「さあさあ、厨房に行って、朝飯と持っていく昼飯をもらってこい。早めに行かないと、他の連中に食われっちまうぞ」
急かされて、それは大変と景子は屋敷へと戻り始めた。
男も、一緒に後ろからついてくる。
厨房は──すでに、使用人が集まっていた。
女が3人、男が3人。
後ろの男を入れると、合計7人か。
「何だ、ボルポッサム爺の新しい女かい?」
アディマと同じ肌の色の男が、ひやかすように声を上げた。
まるで、学校の転校生のような扱いだな、と感じる一瞬。
「景子です、どうぞよろしく」
挨拶をすると、皆が少し奇妙な表情をした。
おばさんが、言った。
「短い名前だねぇ…」
まことに、そのとおりでございます。
景子は、苦笑するしかなかった。


