☆
都への門。
「うわぁ」
景子は、その大きな切り出された白石の門を見上げて、感嘆の声をあげた。
ダイが送ってくれたが、彼は門をくぐることはなかった。
向こう側に立ったまま、こちらを見送っている。
門で待ち受けていたのは、中年の男だった。
髪を伸ばし、いい身なりをしている彼が、何者なのかはシャンデルに説明を受けていた。
リサーの叔父で、シャンデルの遠い親戚。
農林府の中堅職の役人、と聞いている。
「手紙は受け取っておる…まったく、どこの馬の骨ともしれん庶民など拾ってきおって」
ブツブツ。
神経質らしい動きで、景子の上から下まで眺め倒した挙句、顔を顰めて下さった。
あ、あは。
しょっぱなから、見事な歓迎っぷりだ。
リサーの叔父ということで、頭が固いと予想はしていたが、見事な的中である。
「しかも、兄上を後見に農林府に勤めるなど…もし、兄上や私に恥をかかせた場合は、命と引き換えに詫びても足らぬぞ」
相当の兄上好きなのか、男の言葉は本当に強く刺々しかった。
景子は、神妙なふりでそれを受け流す。
シャンデルの方が、脇でぷるぷると震えているほどだ。
こういう威圧は、何故か平気だった。
命のやりとりがあるワケでもなく、嫌われるのが怖いワケでもない。
それに、自分と極力関わりたくないと思っているのが、はっきりと伝わってくる分、ほっといてくれそうだった。
「私の屋敷の隅に置いてやるのも、重々に感謝するがいい」
家の心配をしなくていいのは、助かる。
「ありがとうございます」
景子は、細かい話が全部通っていることに感謝をした。
だが。
「シャンデルデルバータ…お前は、イデアメリトスの君のところへ帰るのだ。でなければ、お前の弟の出世の役には立つまい」
お前は、あの方と一緒に帰ってくることに意味があるのだ。
言葉に、シャンデルは震えながら頷いた。
彼女にもまた、やるべきことがあるのだ。
ああ。
だから、ダイがまだそこにいたのか。
都への門。
「うわぁ」
景子は、その大きな切り出された白石の門を見上げて、感嘆の声をあげた。
ダイが送ってくれたが、彼は門をくぐることはなかった。
向こう側に立ったまま、こちらを見送っている。
門で待ち受けていたのは、中年の男だった。
髪を伸ばし、いい身なりをしている彼が、何者なのかはシャンデルに説明を受けていた。
リサーの叔父で、シャンデルの遠い親戚。
農林府の中堅職の役人、と聞いている。
「手紙は受け取っておる…まったく、どこの馬の骨ともしれん庶民など拾ってきおって」
ブツブツ。
神経質らしい動きで、景子の上から下まで眺め倒した挙句、顔を顰めて下さった。
あ、あは。
しょっぱなから、見事な歓迎っぷりだ。
リサーの叔父ということで、頭が固いと予想はしていたが、見事な的中である。
「しかも、兄上を後見に農林府に勤めるなど…もし、兄上や私に恥をかかせた場合は、命と引き換えに詫びても足らぬぞ」
相当の兄上好きなのか、男の言葉は本当に強く刺々しかった。
景子は、神妙なふりでそれを受け流す。
シャンデルの方が、脇でぷるぷると震えているほどだ。
こういう威圧は、何故か平気だった。
命のやりとりがあるワケでもなく、嫌われるのが怖いワケでもない。
それに、自分と極力関わりたくないと思っているのが、はっきりと伝わってくる分、ほっといてくれそうだった。
「私の屋敷の隅に置いてやるのも、重々に感謝するがいい」
家の心配をしなくていいのは、助かる。
「ありがとうございます」
景子は、細かい話が全部通っていることに感謝をした。
だが。
「シャンデルデルバータ…お前は、イデアメリトスの君のところへ帰るのだ。でなければ、お前の弟の出世の役には立つまい」
お前は、あの方と一緒に帰ってくることに意味があるのだ。
言葉に、シャンデルは震えながら頷いた。
彼女にもまた、やるべきことがあるのだ。
ああ。
だから、ダイがまだそこにいたのか。


