☆
「男ばかりの旅で、気苦労があっただろうからね…やはり、他に女性がいるのは心強かったのだろう」
アディマの部屋。
領主宅で過ごす夜、訪問した景子に、彼はシャンデルの話をしてくれた。
勿論、本人のいないところで、だ。
「男の供は二人と決まっているが、女性は数には入らない。彼女は、リサードリエックの遠縁でね。僕の身の回りの世話に、と連れて来たんだよ」
ああ、そうか。
アディマの説明に、リサーの気持ちが少し分かった。
少なくとも、神殿に着くまでのアディマは、子供の身体だったのだ。
歩みも遅いし、疲れるのも早い。
そんな身体の小さな彼の世話を、無骨な男だけでは出来ないと思ったに違いない。
自分の遠縁であれば、もし女の身のシャンデルが旅を続けられないと判断した場合、置いていく決断もしやすいだろうし。
「でも…女性は数に入らなくてよかったよ」
ふと、アディマが小さくそれを呟いた。
「え?」
想像中だった景子は、うまく耳が音を拾えていない気がして、彼を見る。
「女性の数が決まっていたら、ケーコたちを連れては行けなかったろう?」
優しい、けれども吸い込まれそうな猫目石の瞳。
ああ、そうだ。
最初にこの瞳に、目を奪われたのである。
子供の外見とは裏腹な、深い深い瞳。
「何で…」
景子は、瞳に吸い込まれながら、そう唇を開いていた。
「何で…私たちを連れて行こうと思ったの?」
アディマの旅とは、彼女らはまったく無関係だ。
連れて行く必要性の方が、ないように思えた。
アディマは──両目を閉じる。
何かを思い出すように、少しの間そうしていた。
「初めて会った時…ケーコの目の中に…太陽が見えたからだよ」
瞳が、開く。
琥珀金の瞳が。
景子は。
ドキッとギクッを、同時に抱え込むこととなったのだった。
「男ばかりの旅で、気苦労があっただろうからね…やはり、他に女性がいるのは心強かったのだろう」
アディマの部屋。
領主宅で過ごす夜、訪問した景子に、彼はシャンデルの話をしてくれた。
勿論、本人のいないところで、だ。
「男の供は二人と決まっているが、女性は数には入らない。彼女は、リサードリエックの遠縁でね。僕の身の回りの世話に、と連れて来たんだよ」
ああ、そうか。
アディマの説明に、リサーの気持ちが少し分かった。
少なくとも、神殿に着くまでのアディマは、子供の身体だったのだ。
歩みも遅いし、疲れるのも早い。
そんな身体の小さな彼の世話を、無骨な男だけでは出来ないと思ったに違いない。
自分の遠縁であれば、もし女の身のシャンデルが旅を続けられないと判断した場合、置いていく決断もしやすいだろうし。
「でも…女性は数に入らなくてよかったよ」
ふと、アディマが小さくそれを呟いた。
「え?」
想像中だった景子は、うまく耳が音を拾えていない気がして、彼を見る。
「女性の数が決まっていたら、ケーコたちを連れては行けなかったろう?」
優しい、けれども吸い込まれそうな猫目石の瞳。
ああ、そうだ。
最初にこの瞳に、目を奪われたのである。
子供の外見とは裏腹な、深い深い瞳。
「何で…」
景子は、瞳に吸い込まれながら、そう唇を開いていた。
「何で…私たちを連れて行こうと思ったの?」
アディマの旅とは、彼女らはまったく無関係だ。
連れて行く必要性の方が、ないように思えた。
アディマは──両目を閉じる。
何かを思い出すように、少しの間そうしていた。
「初めて会った時…ケーコの目の中に…太陽が見えたからだよ」
瞳が、開く。
琥珀金の瞳が。
景子は。
ドキッとギクッを、同時に抱え込むこととなったのだった。


