妄想な彼女

そんな美緒の策略のせいで、俺は舞台に上がりあいさつをした




あいさつって言っても、ただ舞台に出てお辞儀するだけ



部員全員で舞台に上がると再び割れんばかりの拍手が起こる



…俺は若干の恥ずかしさも抱きつつ



――やってよかった


そんな気持が心の中からグワッときた





やっぱり何かに本気になるっていいかも…



「…ん？」



そんな盛り上がってる観客の中でひと際目立つ、あの帽子の男…


男はクスッと笑うと体育館を出て行った――



一瞬、目があったような気もしたんだけど…




――あいつ、何者なんだ？