嘘吐きピエロ




「最初は一目惚れでだんだん想いが強くなっていったよ。でも、柚しか見てないんだもん」





悲しそうな顔になっている。





こんな良い子を僕はこんな顔をさせてるんだ。





何で僕の為に…





「柚は私の親友だし私よりずっと気がきいて…優しくて、可愛いから…祐吏君が柚を好きになった理由も判る」






目尻には涙が見える。






親友の良い所を言っていくたびに心が痛くなっていくかのような。






そして、その時僕は気付いた。





大切な、大事な事を。





僕は確かに吉備津が好き。