「いとこなんだ?」

そう言った私に、一也さんは呆れた顔をしながら首を縦に振ってうなずいた。

あの女の子は一也さんのいとこの美香ちゃんで、大学生なのだそうだ。

当の本人はと言うと、今はお風呂に入っている。

彼女が家に入ったとたんに、
「シャワーを浴びたい」
と、言い出したからだ。

「ったく、何しにきたんだか…」

一也さんは息を吐くと、天井を見あげた。

「何か、迷惑かけちゃってごめんね?」

天井を見つめながら、ため息混じりに一也さんが言った。

「別に、大丈夫だから…」

と言うか、一也さんが謝るほどでもないよね?

そう思っていた時、カチャッとバスルームのドアが開く音がした。

湯けむりと共に、タオルをほっかむりにした美香ちゃんがそこから出てきた。