会長夫人の言葉に周りからの視線が刺さる。





「お祖母様、私の婚約者です。」


「ご挨拶が遅くなって申し訳ありません。まりあさんとお付き合いさせて頂いてます、高杉樹と申します。今回は、会長の誕生パーティーにお招き頂いて光栄です。」


「ほぉー、まりあの婚約者か。」





途端に会長の周りの人間が話しだした。





「また他所者か。」


「随分と年上じゃない?釣り合わないんじゃないの?」


「財産目当てじゃないのか?」


「そうかも知れないわね。だから他所者は嫌なのよ。早めに家の息子を紹介すればよかったわ。」


「家もだ。だか、まだ可能性はあるな。」


「そうね。上2人と違ってまだ婚約しかしてないからいいチャンスだわ。」





俺を他所者と言ったこの人達は親族なんだろう。





財産目当てねぇ――…興味はないんだが酷い言われるようだな。





まりあが謝ったのはこれだったのか。





「みなさん、私の婚約者に無礼すぎます。財産目当てなのはあなた方ではないのですか?言っていい事と悪い事があるのをおわかりですか?これ以上、私の婚約者を侮辱しないでもらえます?」