妹も怒りながら、明らかな不機嫌顔で行ってしまった。





「かれん、似合ってるよ。」


「本当?変じゃない?」


「勿論だよ。俺以外には見せたくないぐらいだ。」


「海斗さん……。」





新名部長は、かれんさんと2人の世界に入ってしまった。





「樹さん、私達も行きましょう?」


「あ、あぁ。」





新名部長達から目を逸らし、腕を組んで会長の元に向う。





会長の周りにはたくさんの人だかり。





「樹さん、嫌な思いをさせるかもしれません。ごめんなさい。」





そう言ったまりあに視線を移すと初めて見る真剣な表情だった。





「お祖父様、お祖母様。」


「おぉ、まりあ。久しぶりじゃな。元気にしておったか?」


「あら、綺麗になったわね。」


「ありがとう。お祖父様、お誕生日おめでとう。」


「はっはっは。また老いてしまったよ。」





生で見た会長は想像と違っていて、優しい感じに見受けられた。





「ところでまりあ、この方とはどういった関係かしら?」





会長夫人に指され、体がビクッと反応する。