「樹も酷い男ね。女としての意見は最低な男。けど、同僚としての意見は羨ましいわ。」





数回目のおかわりを頼む冴子。





「お金持ちの子って高飛車なイメージが強いのよね。プライドが高くていつもバックに頼ってて自分の思い通りになるって勘違いしてる子ばかりだと思ってたんだけど、まりあちゃんは違うのね。」





言われてみればそうだ。





高飛車でもないし、両親に頼る事もしない。





不自由なく育ち過ぎたんだからなんにも出来ないんだと思ってたのに、全てが完璧。





Yシャツはシワも見当たらないほど綺麗にアイロンがかけてあり、クローゼットに吊してある。





私服もきちんと畳まれてチェストの中にしまわれてる。





俺の部屋は紙屑も埃も一つ足りとも落ちてない。





ゴミ箱だってなにかしら毎日ゴミが出て来るんだが、仕事から帰るとなくなってる。





風呂だって沸かしてあるし、俺の次…2人で食べた方が美味しいて言って帰ってくるまで食べないで待ってる。