溺愛ラバーズ

「お母さんの言ってた通り、かっこいい人ー!」





今にも傘を振り回しそうな勢いではしゃぐかれんさん。





「海斗さん、凄いね!」


「何が?」


「だって私、お姉ちゃんなの。」





……………は?





お姉ちゃんなのって、まりあの姉なんだろ?





「義弟が私より年上なんて凄い。」


「あーあ、そうだね。」





俺にはこんな会話無理。





「新名部長、すいません。先に失礼します。」


「引き止めてごめんね。じゃあ、お疲れさま。」


「お疲れさまです。」





このまま話してたらあっという間に時間が過ぎていくと思った。





天然ワールドには、是非とも遠慮したい。





新名部長とかれんさんは仲良く相合い傘をして、俺とは逆に歩いて行く。





俺も背を向け、歩き出す。





相変わらずの小雨だが帰る時までこの状態とは限らない。





多少は濡れてしまうが、帰りはタクシーを呼べばいい。





そう思いながら、居酒屋へ足を速めた。