私も寝ようと布団に潜り、目を閉じる。





樹さんの足音が聞こえたけど、狸寝入りを決め込んだ。





「なんで避ける。」


「………っ。」





樹さんが隣に寝たかと思ったら、お腹に腕を回し抱き寄せられ、耳元で話かけられる。





「避けてなんか……」


「避けてるだろ。何が不安なんだ。」





言葉を遮られ、観念した私は身動ぎ樹さんと向かい合うように体を動かす。





「不安や心配は隠さずお互い言い合うと約束しただろ?」





体は向かい合っても目を合わす事が出来ない。





「いっ、樹さん……待って。」





何も言わないまま、黙っていると樹さんの手がなぞるように直接肌に触れてきた。





「ダメっ……見ちゃイヤ…。」


「俺は女心なんてわからない。けど、まりあは別だ。不安にならなくていい―――俺が、死ぬまで欲情するのはまりあだけだ。」