声を聞いたら安心出来ると思ったけどダメみたい。





顔がみたい、ギュッて抱き締めて欲しい。





「樹さん、帰ってきたらいっぱい抱き締めて?」


『ああ。』


「いっぱい私の名前呼んで?」


『ああ。』


「愛してるって言ってくれる?」


『当然だろう。1日最低2回は言わないと仕事が捗らない。』


「樹さん……。」


『まりあ、今日も愛してる。』





受話器から聞こえる樹さんの声に体が痺れてしまう。





もっと言って――――…もっと私をいっぱい愛して―――…。





『後3日したら帰るから、それまでの辛抱だ。』


「うん……。」





たった4日会えないだけで泣いてしまうなんて情けないかな……。




電話を切って、寝室に行きベッドに寝る誠くんの前髪を退ける。