まりあに抱き上げられた誠は途端に泣き止み、胸に顔を擦り寄せる。





大人げないなんてわかってるつもりだが、イラッとする。





「あー、うー。」


「あれ、泣き止んだの?眠いのかな?」


「そうかもしれないな。」


「誠くん、ねんねしようね。寝かせてくるから樹さんはお風呂に入ってね。」


「ああ。」





ベッドに向かうまりあを見てホッとする。





入浴中も考えるのは誠の事だった。





最近、特に思うのは俺が抱っこした時だ。





まりあが抱っこしてる時は終始ニコニコと顔を緩ませてるが、俺が抱っこするとニコリともしない。




それに加え、腕から逃れようと必死に見える。





俺に似たのがいけなかったんだろうか……。





今日は残業だった為、まりあとダイニングに降りて2人で食事を取る。





誠が寝ている間は夫婦の時間。





のにも関わらず、まりあは誠が心配な様子。





食事中も誠、部屋に戻っても誠。




愛する息子の話を聞きたくないわけじゃないんだが…





「まりあ、今は夫婦の時間だろ。俺の事だけ考えてろ。」