部屋に行くのはそれからだ。





「なに?」


「何故制服を着てるんだ?」


「あのね、洋服の整理してたら見つけて懐かしくなったから着てみたの。それでね、ありさちゃんとかれんちゃんに見せたらやっぱり懐かしい〜ってなっちゃって、今日はコスプレしようって事になったの。」





懐かしい〜で終わらないんだな。




「だからね、今日は樹さんを誘惑するの。」





誘惑するのって……。





「お願い、誘惑されて?」





胸の前で手を組み、首を傾げて誘惑されてなんて可愛く言われてしまったら誘惑されないわけにはいかないだろ?





「いいのか?俺を誘惑して。2人目出来るぞ?」





一瞬ビックリしたまりあだがすぐにふんわりと微笑んだ。





「うんっ。樹さんとの子供なら何人でも欲しい。赤ちゃん作ろう?」




はぁ〜……負けたよ。





コスプレして誘惑されちゃ、男として夫として無下にするなんて出来ないだろ?





「明日、動けなくなるまで愛してやる。覚悟しろよ?」


「たくさん愛して。」





あぁ、もう本当に――――――…ウチの奥様は困った子だよ。




-END-