「まぁー真面目な部長さんね。」





PC画面から目を離し、声のした方を見ると腕組みしたまりあの妹が笑みを浮かべ立っていた。





「子供は立ち入り禁止だって知らないのか?」


「初めて聞いたわ。でも、私は特別だって知らなかったの?婚約者に逃げられた部長さん?」





一々頭にくる奴だな。





「……なんの用だ?」


「明後日から出張に行くんでしょ?がんばってねー。」





それだけ言って、手をヒラヒラさせ帰って行った。





なんなんだ、全く……。






まりあがいない間、俺は部長に就任した。





最初は断ったが、まりあと結婚する条件でというのは関係なかったらしい。





それならと思い、承諾したが部長になって商談やら会議が増えた。




それに出張だって多くなった。





俺が婚約解消を保留にして欲しいと頼んだ時、社長から条件が出された。





本当にまりあと結婚したいなら、婿養子になる事。





俺が天宮姓になる事だ。





まりあと結婚出来るならどんな事でもする。