｢探す事は容易いが、出来ないんだよ。いつか大切な人を連れて帰って来ます。だから探さないでと……その願いを聞き入れてもらえなかったら縁を切るとまで言われてしまったんだ。｣





どうすればいいんだ…。





｢私達はまりあの帰りを待つ事にしたんだよ。｣


｢…わかりました。｣





自分で探そうにも当てもない。





どこから探せばいいのかもわからない。





まりあが帰って来るのを待つしかないのか?





これじゃいつ会えるのかわからない。





好きだと言えない。





“まりあ”と呼ぶ事も出来ない。




なにより―――――…





抱き締める事が出来ない。














まりあ――――…随分遅くなったけど、君が好きなんだ。





もう、俺の事は嫌いなのか?





好きだと言ってくれないのか?





まりあに大切な人がいても、好きだと一言言いたいんだ。





悪かった――…一生懸命なまりあを蔑ろにした俺への罰なのかもしれない。