相変わらず涙は流れ続け、手を伝ってくる。





「まりあ。」


「……………から。」


「なんだ?」





声が小さくて最後しか聞こえない。





「樹さんが貴島さんと楽しそうに話してたから…。」


「しょうがないだろ。」


「わかってます。……でもっ、寂しかったんです。」


「はぁ?」





寂しかったって……だったら1人にならなければいいじゃないか。




「だって、樹さん笑ってるの…。」

「………。」


「樹さんの笑った顔初めて見ました。それに…楽しそうで羨ましかったんです。」





俺の笑った顔なんて………。





そうだな…まりあには笑った事なんてない。





今もそうだが、常に無表情だ。





「心配かけてごめんなさい…。」





弱々しく謝るまりあの姿を見て体が勝手に動いてしまった。





腕を引っ張り芝生の上に雪崩れ込む様に抱き締めた。





「悪かった。もう泣くな。」





あやす様にポンポンと頭を叩くと嗚咽をあげ、泣き出してしまった。





はぁ――――…どうしろっていうんだ。