俺の隣の俺の女



「あ、未夢
どしたの?それ」


「うん・・ハゲオヤジに
図書室に返すように
頼まれた
重い~っ!」


「たいへんだね
先にさ、翔先輩に
いっといたら?
校門すぐそこだし
あたし用事あるし
一緒に持っててやれない
けど、もしかしたら
半分持ってくれるかも
だし・・」


「愛のケチ~
でもいーかも!
そーする!」


愛と校門に行ったけど
翔の姿見られなかった


「あれ・・?いない・・」

「先帰ったんじゃないの?」


「そんな事ないよ
翔は、約束は、破らない
タイプだし
2年生だし
授業長いのかもね」


「ふーん、じゃあね」
って


おい!


可哀想な友達

ほっとくのかよっ!


ま、用事あるって
言ってたし
しょうがないか


仕方ない


一人で・・


重っ・・・


これじゃあ
時間かかりそう


翔にメール打っとこ
遅れる・・・とっ!


あたしは
重い本をよろよろに
なりながら運んだ