─…あの頃のあっちゃんは本当に可愛いかったなぁ……。


なぁんて。

眉を寄せて思いっきり不機嫌全開の恐い顔をしてる、10年後の彼を見つめながらしみじみ思うのです。















「………え?」


「…だから、いらねーつってんだよ。…てか、もう来んな。」


「…もう来んなっ……て、だってお弁当がっ、」


「余計なお世話だって言ってんのが……わかんない訳?」



… ジ ロ リ 。


私より頭1つ分大きい彼がきかす睨みというのは、少なくともみんなが想像している2倍の威力を…兼ね備えている訳で。


「…ヒッ!」


なぜか偶然この場に居合わせた睨まれていないはずの男の子が、短く悲鳴をあげてしまうぐらいに。