平気で嘘つく。 つまずいた。なんて嘘。 全部演技・・・ もう何度、嘘を積み重ねただろう… 俺の最大の嘘―・・ それは、俺と真琴だけが知っている。 真琴―― お前は俺と同じ裏切り者・・ お前は俺まで裏切るのか? 部屋に入って少したつと、足取りが重そうな階段を上がってくる音が聞こえた。 真琴か? そう思って戸をあけると、俯きながら歩いてくる美波の姿があった。