「でも‥まだ付き合ってることになってるから。」

「はぁ?」

晃のまゆが一瞬ピクッと動くと、だんだんと眉間にしわがより、苦い表情になった。


「とりあえず、この旅行中は。気まずくさせたくないし。真琴の願いだから。」

そう言って一先ずこの話を終わらせないと、全部ぶちまけてしまいそうだった。

美波を好きなこと

晃に嫉妬していたこと

俺のワガママで真琴と付き合って傷つけたのに、開放感でいっぱいな最低な自分のこと


なにもかも全部さらけ出しそうだったから‥



でも今は時期じゃない。

まだ真琴と俺は付き合ってることにするんだから。





晃は俺の話を聞き終わると敷いてある布団の中に入って、そのまま何も言わなくなった。

俺も何も言わぬまま寝床についた。