●慎吾Side●
涙を拭い、家に入っていく真琴の後ろ姿を見ながら、俺は思った。
これで良かったのだろうか‥
と。
紛れもなく、４年間‥
俺は真琴と付き合っていた。
この４年間、美波や晃以上にずっと一緒だった。
この想いはなんなんだ？
このモヤモヤとしたやりきれない気持ち。
俺は美波が好きだ。
今までも‥
変わらず今も‥
でも、確かに真琴と付き合っていた。
だから‥情がうつったのか？
知らず知らずのうちにそばにいることがあたり前のようになっていた。
４人でいても、常に隣は真琴。
暗黙の了解のようだった。
やっぱり４年間って長いよな。
人の気持ちにも変化がある。
４年前の俺なら、真琴の入り込む隙なんかなかった。
美波一色で、美波しかいらないと思っていた。
いつ、変わったのだろう‥
今、俺は真琴を思うと切なくなる。
同情と言われれば、それで終わりだが、そうとも言いきれない俺たちの時間があったのだから。
