玄関から少し先にポケットに手をつっこんで、空を見上げて立っている慎吾を見つけた。 小走りで片手を振りながら、「慎吾!」と呼びかけて駆け寄る。 視線だけをこっちに向ける慎吾。 笑いない笑い―――‥ そういう方がいいのか、表情は笑っていても心からは笑ってないように思えた。 『なに?』と尋ねるのも気がひけて、傍まで行っても、なにも言えずに立ち尽くしてしまった。 慎吾はゆっくりと体をわたしの方に向け直す。 一息ついて、口にした言葉。 「別れよう…」