●真琴Side●

美波と喋ってる途中でケータイの着信音が部屋に響いた。

美波の携帯らしく、鳴りつづける携帯のディスプレイをじっと見て、とろうかとらまいか悩んでいる様子だった。


わたしといるせいかな?

気にしなくていいのに。

そう思ったら、

「出なよ」

と、素直に言葉に出していた。


わたしがそう言うのを聞くと、美波は気まずそうな表情ではあったけどケータイをとった。

適当に相づちを打ちながら会話しているように思える。

そうかと思うと、目を見開いて黙ってしまった美波。


すっと立ち上がると、口パクで「ごめんね」と言い、片手を縦に顔の前にもっていき、部屋から出ていった。


なんだったのかな?


一人になると自分のいる部屋が広く感じる。

もともと広いんだよ?

多分10帖くらい。


でも、二人でいるときよりも、その広さが何倍にも感じられる。


一人は寂しい。