「あっじゃぁ、俺たちこっちだから。 また明日な!!」

そう言って慎吾は真琴の手を引き、晃とわたしとは違う道を曲がって行く。

真琴は笑って、ただ手を振ってた。

これが真琴との違い。
立場の違い。
二人で違う道に行くことも、手を引かれることも…いや、手はあるかも。どっちにしろ、二人の関係をまざまざと見せつけられるのは、幼なじみを強調されてるみたい。


あぁーあ、

胸が…

…痛いや。


慎吾を好きにならなかったら、こんなにも苦しくも、ツラくもないのに。

いっそ‥晃のこと好きになってれば。


隣で二人を見送る晃を見上げた。



「ん?」

視線に気づき、晃がわたしを見下ろした。


かっこいいね。

幼なじみのわたしが言うのもなんだけど‥、やっぱり晃はかっこいいよ。

端から見れば慎吾にも負けない。


でもね、

わたしには慎吾が一番かっこいい。


転けた姿も、一生懸命な姿も、どんな姿だって、わたしには輝いて見えるの。


「…なんでもないよっ!!」

お尻で晃を突き飛ばした。