●真琴Side●

初耳・・・

美波に彼がいたなんて。



自然に慎吾へ視線が流れてしまう。

慎吾の表情が怖くて、落ち着かない。


美波を好きなの知ってるから。


付き合ってても、わたしの方に心を向けてくれたことなんてなかったから。



向けてくれるのは、優しい笑顔と言葉。


ただそれだけなのに、手放せないでいる。

慎吾を失うのが一番怖い。


たとえ慎吾が美波を一生好きでいても、わたし・・・慎吾と一緒にいたいと思ってる。



虚しいだけなのにね。