泣きながら告白して、杜伊くんの手が離れて、それが少し寂しいなんて思ったら杜伊くんと向き合うようにわたしの体を反転させた。
何言われるかなんて明白で、またフラレるのかと思うだけで涙が余計に流れた。
「…信じてるよ」
唐突な杜伊くんの言葉に涙もいっきに引っ込んだ。顔をあげて杜伊くんをみる。
信じてるって…、それって。
「ちゃんと好きって思ってくれてるってわかってるよ」
「…杜伊くん」
「でも、信じられないって言ってしまった手前、今さら撤回なんて言えなくて」
「それって…」
「…俺も、藍海が「待って!」
多分わたしがほしい言葉が貰えた。“好き”って。
だけど、ちゃんともう一回告白させて。ちゃんとその返事が聞きたい。
「…ちゃんと返事が聞きたいから。“そっか”じゃなくて。だから、もう一回告白させて下さい」
感情が昂ってる。だから涙がまた溢れそうになる。だけど、涙で告白の邪魔はしたくないから…
「杜伊くん」
「…ん」
「…杜伊くんが、好きです」
杜伊くんはわたしの流れだした涙を手でぬぐってくれて、笑顔をみせてくれた。わたしが独り占めしたいって思った笑顔を。
「俺も藍海が好きだよ」
もう2年も待った。
2年も同じ人を好きでいて、2年もずっと振られつづけて、2年間告白に明け暮れた。
同じ気持ちになってほしくて、好きって気持ちを信じてほしくて。
「杜伊ぐん~~~」
真っ正面から抱きついたら、背中に回される腕と頭に乗せられた手がどうしようもなく嬉しくなった。
わたしたちの後ろで静かに賢夜が笑って去っていくのも知らずに。