もしも君が好きだと言ってくれたら、世界中の誰よりもあなたを愛すのに…

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「杜伊(トイ)くん、好き!」

今日も挨拶がわりの告白。


「そっか」

そしていつもと同じような返しの杜伊くん。

その表情といったら真顔以外見たことがない。



最初の告白のときは、「ありがとう」って真顔でも言ってくれた。それから少しの間は言ってくれてたのに段々とめんどくさくなったのか「ありがとう」なんて最近じゃ言われなくなった。

今じゃ「そっか」だもん。

「そっか」ってなんだよ!って感じだし。


“好き”って言って“そっか”なんて返事された人なんて聞いたことないし!



真剣なのに!真剣なのに!

わたしはいつも真剣なのに!


好きなだけなのに!



わたしだってモテないわけじゃない。

言っておくけど、モテる方だと思う。


だって、あの両親から不細工が生まれるとは思わない。

学校のミスコンだって2年連続優賞してる。お母さんもミスコン優賞経験があるし、お父さんも学校一、二位を争うくらいモテたって言ってた。

そんな親をもつから、実際、子のわたしから見ても両親は美男美女だと思う。年齢を感じさせないし、いつまでも若いし、自慢の親。


そんなわたしが2年以上も片思いしてるなんて、…自他共にビックリだよ。片想い歴2年とか周知の事実だよ!




「藍また振られてんなぁ」

意味深な笑顔で近づいてくる賢夜。


「うっさいわ!」

「あ~こわっ!そんなんだから杜伊に相手にされねんだよ」

「黙れ!」

「ひぃぃぃ」

なんておどけて言う。

二卵性だから似てないけど、賢夜とわたしはれっきとした双子。

まぁあの親にしてこの子あり!って顔はどっちもしてるけどね~