普通の道に出てから数分もたたない内に、目的地である商店街に着いた。


あんまり人通りが多いってわけじゃない。

つーか‥
元の人口が少ないからだと思うけど。




それでも商店街だけあっていろんな店がある。

精肉店とか、八百屋とか、服とか。

珍しいのは駄菓子屋があること。
その前には子供たちが集まって、お菓子を見回っている。



やっぱ都会も田舎もこうゆうとこは変わんないよな。
とか思いながら、一通り商店街の中を歩いた。





美波が突然、喫茶店に入ろうと言い出して、この辺りを一番よく知る美波に従うことにした。


美波曰く、この喫茶店はすごくパウンドケーキが美味しいらしい。

だから、有無を言わさず、美波が勝手に注文した。



ちょっと古びた感がなんともいえなくて、歩くたびに軋む床が心配になって、決して明るいとはいえない店内。

でもそんなことも、美波の知り合いっぽいこの喫茶店のオーナーの人当たりを知れば、なにも言えなくなる。

人なんてそんなもんだ。