夏休みも間近に迫ってきた。

蝉の鳴き声がうるさいほどになり、夏本番を迎えたと感じる今日この頃。

窓を全開に開けっ放しにしたのにもかかわらず教室の蒸し暑さに我慢できずうちわで扇いでる人もちらほら。

じんわりとかいてしまう汗も不快感いっぱいでいや。

そんな嫌なことがいっぱいの今、あっこちゃんの唐突さは余計に体を熱くさせる。


「聞いてるー?」

「聞いてるよ。」

「有名なんだよ?」

「…何が有名なの?」

「何って決まってんじゃん!」

決まってるの!?

ごめん、わたしにはわかんないよ、あっこちゃん。

あっこちゃんには当たり前だったんだろうその内容は、わたしには当たり前じゃなくて噛み合わない話が余計に疲れを感じさせた。




「かっこいいってみんな言ってるよ!」


「誰を?」


「だーかーらー、シンタとアキなんとかだって!」