「そうだよ。
俺のせいじゃねぇよ。」

そんな感情を知られないよう、強がった。



でも…

いいのか、美波?

好きでもない俺なんか庇ったりしてたら、晃が勘違いするぞ?



そんな風に思いながらも、俺を思ってくれた美波が嬉しくて、嬉しくて。





また少し美波を好きな気持ちが大きくなって、



真琴に対する罪悪感も増した。




「なんでそんなことわかるの、美波?慎吾が常習犯なのは知ってるじゃない?」


「だって、ホントに慎吾なら、真琴に怒られた時に言い訳してるのは当然で、晃だって、文句言ってるもん。今日は二人とも何も言わないから、逆にそうじゃないかなって思ったのよ。ただそれだけ。」


「さすがね、美波。」



晃は面目丸潰れのような渋い顔をしていた。



俺は…

まさか美波がこんなにも俺たちのこと見てたことに驚いた。


さすが、17年間の付き合いというものなのか…



美波が向ける屈託のない笑顔に胸がギュッとつかまれた。



晃・・・

美波に想われてるお前がこんなにも羨ましく憎いと思ったことはない。


俺…
お前になりてーよ。






心の葛藤を抑え、商店街に歩き出した。