「美波…」


晃の香りが鼻をかすめたと思ったら、包み込まれるように抱きしめられていた。


淋しい気持ちでいっぱいで…だけど、日本に帰らなきゃいけない。


グレニスは妹のようになついてくれたから、もっと一緒に出かけたりしたかった。


今帰ったら、今度はいつ晃に会えるのか。


もっと一緒に、もっと長くいろいろなことをしたかった。


「また会えるよ」


そう言って頭を撫でてくれる晃。


「今度はわたしが日本に行くね」


わたしの背中に手をあてて明るく言ってくれるグレニス。


「晃…これ」


晃に手渡したのはネックレス。


おそろいで買ったわたしたちの証。


「4人でおそろい。なくさないでね?」


そう笑いかけると、「やっぱ、敵わねぇな」って苦笑いしてみせた晃だったけど、嬉しそうにも見えた。


それだけで十分満足だった。


買ったかいはある。