「美波だ…」

遠目で一点を見つめながら、慎吾がボソッと呟いた。


「えっ?どこ??」

そう言って、慎吾の視線の先を追った。






――――美波


一目で分かる

たくさんの人が行き交うこの人混みの中、その存在は浮きだっている。



美女が一人、

その存在感を光らせている。



たくさんの人が振り返っては、美波を見る。


そんな美波を守るように、晃が傍にいる。

まるで騎士(ナイト)のようだ…



黒くて長いストレートヘアーに整った顔立ち。大きな瞳にスッと高い鼻、華奢な身体でスタイル抜群。手足が長い上に綺麗なウエストライン……ふわふわのワンピースを着た美波。


世の中ってホンットに不平等‥

なんでこんな子がいるの?


そういえば、前に慎吾が言ったよね…
「なんでミスコンで美波が優勝したんだ?」
って…

当たり前だよ。



美波は外見も中身もどちらもいい子なの。

わたしなんて、足下にも及ばないよ。



ねぇ、慎吾…

アナタも美波を守る騎士だったのにね―…


……わたしのせいね

すべては私たちの…