大きい荷物は先に預けたから、後は時間がきたら出発ゲートをくぐるだけ。 美波の両手を重ね、その手を包むように両手で握る。 「晃のこと…お願いね?」 ちょっとだけ…声が震えた気がした。 上手く笑えてるかな? そんな不安さえある。 わたしの気持ちを悟ってくれたのか、 「…うん」 そう眉を潜めて笑う美波。 その隣で笑ってるのに、どこか憂いをひめてる慎吾。 みんな同じ思いなのかもしれない。