それでも・・・


信じるしかない。


信じて待つしかない。



足下が覚束ないのか、ゆっくりと足を一歩一歩確かめるように歩く美波。


屋上から出ていく後ろ姿を見送りながら胸が締め付けられる思いだった。


屋上に残る慎吾との間にはいいようもない雰囲気があった。


美波を好きな慎吾。


ホントは追いかけて抱き締めてあげたいんだと思う。


だけどそうしないのはわたしへの優しさ。


わたしを一人にさせないための慎吾の優しさ。