今ごろ、担任から伝えられてるころか?


腕時計の時間を確かめた。


手続きを済ませ、アナウンスの後、出国ゲートをくぐる。


「たまには連絡しなさいね?」

「あぁ」


ゲートの向こうで手を振る母さんに手をあげこたえた。


前を向き直すともう振り返ることなく飛行機に搭乗した。


慎吾、わりぃ。

美波と幸せになれよ。


真琴、すまない。

全部お前のせいじゃないから。


美波…

慎吾と幸せになれ。


それが最後の俺の望みだから。





自分の席はちょうど窓際だった。


顔を見られないようにしっかりと窓を向き、流れる涙を隠した。