美波と慎吾とは、誰よりも長く一緒にいた。
だから、分かる。
慎吾は美波が好きだ。
美波は慎吾が好きだ。
いつ気づいたんだろう。
成長するにしたがって、慎吾が美波を見る目が変わって、
美波が慎吾を見る目が変わって、
…俺も。
二人が両想いとわかって俺は怖くなった。
一人にされるんじゃないかって。
そんな時、真琴に出会って、真琴は慎吾を好きになった。
俺にとっては好都合だった。
それから慎吾と真琴は付き合いだした。
これで上手くいく。
そう思った。
けど、そんな浅はかな気持ちはすぐにどこかへいった。
美波の慎吾への気持ちは、俺の想像以上だったから。
