そこは少し拓けていて、休憩用の屋根が付いてるベンチと机があった。


美波はベンチには座らないで傾斜のすぐ近くまで行き体操座りというのか、地面に膝を抱えるようにして座った。


その隣に片膝をたてて、もう片方の足は前に突き出して何も言わず座る。




「…晃は知ってると思うけど、ずっと慎吾が好き。 慎吾が真琴と付き合ってから落ち込んでて何度も晃の胸で泣いたよね?ごめんね?晃の気持ち知らなくて…」


「いや…」


「晃を好きになろうと思ったけどダメで、そんな時、稚早に出会って頼ってしまった。稚早に逃げた…」


稚早って言葉に身体がぴくっと反応する。