「…んご?」


ハッと我にかえる。


ヤベ…

自分の中に入ってた。



「慎吾…ありがとう」


「…」


真琴は今まで見たこともないくらいの一番の笑顔を見せた。


「好きになったのが慎吾でよかった。 両想いじゃなくても、計画されたことだったけど、慎吾と付き合えたこと、それがわたしの宝物だよ。」


「…真琴」


「苦しかったけど、幸せだった。 今度は慎吾が本当の幸せを掴む番だよ」


俺の手をとり、両手で包んだ。


真琴の手は温かくて、真琴の優しさが流れ込んでくるように感じられた。


穏やかな気持ちだった。


「帰ろう?」


真琴はそう言って家の方を向いた。