●慎吾Side●


真琴から話されることすべてが耳を疑うようなことばかりだった。


言葉を失う、ってこんな風なのか?


何を言っていいのやら、どんな言葉を真琴にかけてやるべきなのか、わかんねぇ…


今まで、俺らは晃が敷いたレールの上を走ってたっていうのかよ。


今まで何のために美波を諦めようとしてたんだよ。


「今思えば、晃が美波に告白できなかったのは美波の想いの強さに挫けてしまったからだと思うの。」


そう最後に真琴は付け加えた。

想いの強さ?


美波は他に好きなやつがいんのか?


晃でも、あの稚早でもねぇやつ…誰だよ。


「真琴ひとつだけお前に聞く」


真琴は静かに微笑んでしっかりと頷いた。