●真琴Side●


朝を教えてくれる鳥の鳴き声が耳の届いた。


寝返りを一つうって、瞼を開ける。


隣にいるはずの美波がいない…


また先に起きたのかな?


そう思い直して、布団をたたんで着替えた。




携帯を時刻表示をみると、10時23分を指していて、


寝坊した!


慌てて下に下りた。


でも美波の姿と晃の姿はどこにもなく、居間でおじいさんとテレビを見ながらくつろぐ慎吾の姿だけがあった。


「おはようございます。 …あの、美波は?」


台所で忙しく働くおばあさんに声をかける。


「美波? あぁ!美波なら晃くんと出かけたわよ?なんでも二人で行きたいところがあるからって。」


平静を装うことしか出来ない。


二人で出かけた?


ふと、昨日と夜の美波の言葉を思い出した。