●美波Side●

思いがけず言葉を失った。


“好きだ”


まさか…


晃がわたしを?


そんな!



眼をキョロキョロさせて、挙動不審なわたしの腕を掴んで、


「本気だから」


晃が言った。


ゆっくりと晃の顔に焦点を合わせる。


普段の晃からは想像できないほど、真剣でまっすぐな瞳を向けている。


本気なの?


疑うわけじゃないけど、こうもストレートに言われてしまうと、戸惑ってしまった。