少し悔しくて、美波の腕を掴んで引き寄せると、そのまま2人で海の中にダイブした。
海の上に顔を出すと、続くように美波も浮上した。
さっきと同じように頭を振って、水を含んで重たくなった邪魔な前髪を後ろにかきあげる。
美波は前髪をかきあげ、サイドの髪を掴んだまま下にずらし水をきっていく。
「ずぶ濡れだね」
そう笑う美波。
ドキッってらしくもなく、美波にみとれた。
濡れて先から滴が落ちる髪。
Tシャツのが肌に引っ付いて、中に着ていた水着が透けている。
それに…
夕日とオレンジ色に輝く水面をバックにして優しくて微笑む美波。
どうしようもなく綺麗で、
つい…
言ってしまった。
「好きだ」