あまり見ることのない美波のはしゃぎ様を横目に、波を押しのけながら海の中を進んでいった。


股下くらいまでの水の深さのところまできた。



「この辺りにたくさんあるの」

そう言って、顔だけ海中から出すように屈んで、一掴みその辺の砂を持って、元の体勢に戻った。


もう片方の手で砂を掻き分けると中から綺麗な貝殻が姿を現した。


反射して七色に光っているグラデーションがとても鮮やかなのだ。




「ほら、晃も!」


そう急かす美波の表情はどことなくいたずらっ子みたいだったのだ。


なにかを企んでるような…

そんな気がする。