プルルル…
あたしは今、偽のヤス先輩に電話している。
かちゃ…
『もしもし。』
｢あなたは、誰ですか？｣
『……』
｢今日、ヤス先輩に話しかけました。あたしのことは、名前すら知らなかった。ヤス先輩の名前使って、何がしたいの？あたしをからかってるの!?｣
あたしは、怒りで怒鳴ってしまった。
『ごめん…、からかってたわけじゃない。俺、自分に自信がなくて…ただ、冬美ちゃんと仲良くなりたくて…』
仲良くなりたくて？
ふざけないで!!
｢ふざけないでください…｣
『ごめん……でも俺、冬美ちゃんが好きで…。』
ブチっ
あたしは、電話を切った。
どき‥どき‥
やだ、なんでどきどきしてるの？
あたし、騙されてたのに。
もしかして、
好きになりかけてた？
やだ、だめだよ…
顔も見たこと、ないのに。
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