「おまえのこと、何年見てきたと思ってるんだよ?そんな嘘、すぐわかるよ。言ってみ?どうした?」




ゆぅさんは、優しく微笑みながら、そう言った。


その笑顔が、少し懐かしむような感じで…
私は、今の私を見てもらえてないような気がして、すこしモヤモヤした。




「あの…私は、なんでゆぅさんのことを覚えててあげられないんだろうって思って…。」



ゆぅさんは、顔をあげて真剣な目で私を見た。




「なんで私が病気なんだろう。なんで私は忘れちゃうんだろうって…。」



ふとゆぅさんを見ると、ゆぅさんは泣いていた。



表情はぜんぜん変わっていないのに、涙だけ頬に伝っていた。





まるで、その頬に水の雫が垂れてしまったかのように…。










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