文化祭も終わり、生徒達が落ち着きを取り戻しつつある頃。
尊「はぁ」
尊は誰が話しかけても上の空といった感じで、教室の窓から雲一つ無い空を眺めていた。
秋「どしたぁ、ため息ついて」
尊「はぁ」
千「あれだよ、この前の文化祭で萌木先生が森田のことアフター連れてったから……」
状況を察していない手塚に、千尋がそっと耳打ちする。
尊「何故俺が団子女のことで悩まなきゃならないんだ」
千「あ、萌木先生と森田だ」
尊「!!」ビクッ
千「ほら見ろ、もうみんな知ってるよ。
知らないのはお前と張本人だけだよ」
過剰に反応する尊を横目で見ながら千尋が苦笑すると、手塚はガハガハと豪快に笑った。
秋「心配すんなよー、いくら神聖な校内で堂々と官能小説おっぴろげてる男でも、生徒には手ぇ出さねーって」
尊「生々しいこと言うな……はぁ」
千「告っちゃえば良いじゃん」
尊「そんな勇気無いから悩んでるんだ」
秋「んなこと言ってたら誰かに取られちまうぜぇ」
尊「……………」
千「よし、俺作戦思い付いた!」
尊「?何だ?」
千「次森田に喋りかけられたら告白しろ!」
秋「……………」
尊「……………」
千「……………」
秋「全然作戦じゃねーだろ!」
尊「お前、いつからそんな強引になった?」
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