[フェニックス!リルスの玉で蘇生の術じゃ]

はっとして気を取り直したフェニックスはリルスの玉をふところから取り出し、女の子に向けて「蘇生!」と叫ぶ。

リルスの玉からオレンジ色の糸が飛び出して女の子を包みだし、繭の形になっていく。

「大丈夫なのか?」

テイシンが振り向いてフェニックスに問う。

[大丈夫じゃ。蘇生したら繭が解けるはずだ]

リルスの玉の中の小人がフェニックスに答える。

「大丈夫よ。蘇生したら繭が解けるから」

「そうか……。安心したら腹がへった、なんかくれ」

「戦士のパンしかないけど…」

フェニックスは背負いからパンを取り出してテイシンに渡す。

「サンキュ!あっ、これは俺の顔だな。ぜんぜん似てないぜ」

テイシンは頭から戦士のパンをかじった。